『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2)さなぎが蝶に | ■RED AND BLACK extra■舞台と本の日記

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2)さなぎが蝶に

去年に続き2回目の観劇ということでよかったのは、物語のラスト直前に、イツァークがヘドウィグからウイッグをかぶせてもらったときの表情を見逃さずに済んだこと。初めて観る人も、ここはぜひチェックしてほしいな。


イツァークというのは、ヘドウィグが言うところの「従順な下僕」。ヘドウィグのバンドが以前、バルカン半島付近のどこかの国(どこでしたっけ? 思い出せない)へ巡業に出掛けたとき、前座として呼ばれたのが、地元で有名なドラァグクイーンのイツァークだった。ヘドウィグは、イツァークが二度とウイッグをかぶらないことを条件に、彼を伴侶とする。つまりイツァークは、自分を無にして相手に尽くす道を選んだのだ。


でもヘドウィグは、トミーとの過去を自分の中で受け入れることができたとき、イツァークにプラチナブロンドのウイッグをかぶせた。そのときのイツァークの驚いた表情っていったらなかった。喜び、戸惑い、いろんな気持ちを顔に浮かべたあと、ふとステージから走り去る。


そして最後、さなぎが蝶々になったように… んん、未見の人のためにここはお楽しみにしておこう(こう書いたら分かるか…)。去年と比べて、きらびやかさが控えめになってたのがちょっと残念だけど、自分らしさを取り戻してイキイキと歩く彼(彼女?)は、観ていてこっちもうれしくなった。


明日は、この舞台で大好きな衣装とメイクのこと。