『M!』の大阪版パンフレット読んでます | ■RED AND BLACK extra■舞台と本の日記

『M!』の大阪版パンフレット読んでます

明日、大阪公演千秋楽を迎える、ミュージカル『モーツァルト!』。 先日観てきた家族が、おみやげにパンフレットを買ってきてくれました。ベージュの方が今年の大阪版、黒い方は2002年初演時の帝劇版です。

M


本文デザインは、だいぶ変わっています。初演版の凹凸のある紙は使っていません。プリンシパルの写真で初演時と変わっているのは、ヴォルフガングの2人と、ナンネール、久世男爵夫人でしょうか。男爵夫人、よーく見たら指輪の位置と数を変えてきてますね。


初演版にあった、場面ごとの登場人物を紹介するページがなくなっていました。『レ・ミゼラブル』パンフでいえば、香盤表にあたるものです。再演なので、省かれたのでしょうか。でもこれがないと、アンサンブルの識別が私には難しそうだな。


舞台美術、衣装デザイン担当の方のコメントもなし。初演版では衣装の方が「ヴォルフガングに近い人ほど現代的で、遠くなるにしたがって、18世紀のスタイルで対比させた」と書いていて、なるほどと思いました。

こういう視点からの記事がなくなったのはちょっと残念。


読み物はそれなりに増えていて、初演版になかった種類のものでは、M!ゆかりの地をめぐるザルツブルク・ウィーン紀行文、クラシックファンの漫画家さんによる劇中の楽曲解説などがあります。


特にしっかり読んだのは、演出の小池修一郎さんのインタビュー「演出の裏側を語る」。ウィーン版、ハンブルク版などの流れや印象を踏まえて、日本版をどのように見せていくか試行錯誤した過程がうかがえます。これを読む限り、各バージョンで演出意図に違いがあるようで、ヴォルフガングとお父さん、アマデなどとの距離感が、少しずつ変えられているようです。


インタビューの最後に、ヴォルフガングとアマデが重なるようにして息絶えるシーンの写真があります。苦悩しているのか安らいでいるのか、どっちともとれない表情。なぜあの若さであのように死んだのか、その謎から書き起こされた作品ということなのかな…。


東京版のパンフは、また内容が変わっているかもしれません。